肺がんの内視鏡的治療に、ステント治療、内視鏡的レーザー治療があります。それぞれ治療のメリット、デメリットを知る事が大切です
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肺がん初期症状肺がん初期症状

内視鏡的治療

肺がんの内視鏡的治療の一つとして、【ステント治療】と【内視鏡的レーザー治療】があります。ステント治療とは、がんによる気管や気管支の狭窄(きょうさく)を改善するために器具を挿入して気道の広さを確保する治療法で、内視鏡的レーザー治療は、レーザーを照射して、太い気管支にできたがんを治療する方法です。

ステント治療

ステント治療はがんに対する直接の治療ではなく、患者さんの呼吸困難という重大な症状を改善するために気道を確保する治療です。また、肺がんによる気管や気管支の狭窄(きょうさく)ばかりでなく、食道がん、その他のがんのリンパ節転移などにより、気管あるいは左右の主気管支が狭窄し、呼吸が苦しくなった場合に行われます。
この治療ステントは筒状のものでさまざまな種類があります。ステントの素材にはシリコン製のものと金属とそのハイブリッドのものがあります。ステントには形状記憶合金であるニチノールをメッシュ状にしたものがあり、気管支鏡を通して挿入可能です。また、気管の狭窄が強いときなどには、安全のため全身麻酔をかけ、硬性気管支鏡を用いてステント(デユモンステント)を挿入します。ステントの挿入にあたっては気道の狭窄部位、狭窄範囲、狭窄の程度により、たくさんあるステントの中から最も適したものを選んで挿入します。

内視鏡的レーザー治療

内視鏡的レーザー治療には、Nd-YAGレーザーのような高出力のレーザー照射で行う治療と、光線力学的治療(PDT)という光感受性物質を使用する治療があります。

Nd-YAGレーザー

気管や太い気管支にできたがんによる狭窄をレーザー照射により瞬間的に蒸散(がんを消滅させること)させて、気道を広げるのに用います。Nd-YAGレーザーは、手術による完全切除ができない進行したがんによる呼吸困難という症状を改善するための治療で、ステント治療と同様の目的で行われます。ステント治療との大きな違いは、気管や気管支の内腔にがんが直接見えている場合に、そのがんをレーザー照射により蒸散させることです。内腔にがんが直接見えていない場合にはステント治療を行います。がんが見えていても範囲が広いとき、出血が多いときなどはステント治療の適応です。したがって、Nd-YAGレーザー治療では、ステント治療との併用も考慮する必要があります。そのため、治療を行う場合には専門医の慎重な判断が必要です。このNd-YAGレーザーによる治療は、がんを小さくはしますが、完全に治すための治療ではありません。

光線力学的治療(PDT)

光線力学的治療には、エキシマ・レーザーあるいは半導体レーザーを用います。光線力学的治療は、Ⅹ線では見えないような小さながんで、転移がなく、気管支鏡で見える範囲にあり、大きさが2cm以下の扁平上皮がんが内視鏡的早期肺がんで行われます。光線力学的治療の適応となるような肺がんはきわめて少数です。血痰があって喀痰の細胞診を行い、扁平上皮がんが見つかった場合、気管支鏡を使った検査を行います。このとき、がんが太い気管支に発見されたというような場合が、光線力学的治療の適応です。物質であるフォトフリンあるいはレザフィリンをレーザー照射の四~六時間前に静脈注射します。最近は、副作用の日光過敏症(日焼け)が少ないレザフィリンを用いることが多くなりました。レーザーを照射する際には気管支鏡を用いて、レーザーを通す細いチューブを入れてから、レーザーを照射します。

光線力学的治療のメリット

ほかの肺がんの治療と比較して、患者さんに与える負担が少なく、治療期間が短いのが特徴です。この光線力学的治療による内視鏡的早期肺がんの治癒率は、がんの状態にもよりますが、きわめて高く、80%以上。また、がんが再発しても再度の光線力学的治療や、手術、放射線治療などによる治癒も期待できます。したがって、内視鏡的早期肺がんが見つかった場合には、まず治療選択の第一に光線力学的治療を考えます。

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