確定診断には、細胞診と組織診があります。確定診断には、気管支鏡検査など気管支の細胞を採取、検査する方法などがあります
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肺がん初期症状肺がん初期症状

確定診断

肺がんの確定診断をするうえで最終的な判断を行う方法には、【細胞診】、【組織診】の2種類があります。検診には、細胞診や組織診を行う病理医と呼ばれる専門医が行います。診断確定までに通常1~2週間ぐらいの時間がかかります。

細胞診

細胞診とは、細胞の一個一個を顕微鏡で観察をして、がん細胞があるかどうか異形の細胞を調べる検査です。判定は、陰性、擬陽性、陽性の3段階に分類されています。異型とは、細胞が正常でない形になることで、正常細胞からの隔たりを異型度であらわします。つまり、異型度が高いほど、がんに近い細胞ということになります。細胞診には、「喀痰細胞診」、「気管支鏡検査」、「擦過細胞診」「経皮的肺穿刺法」などがあります。喀痰細胞診の判定は、AからEまでの5段階に分類され、それぞれの判定に応じて指導が行われます。

組織診

組織診とは、検査、あるいは手術でとってきた組織の切れ端や小片をホルマリンで固定し、薄く切った後、顕微鏡で細胞の大きさ、形、並び方などを総合的に判定する方法です

生検(バイオプシー)

生検(せいけん)とは、異常が疑われるところの組織や細胞の一部を鉗子などで切りとって、顕微鏡で細胞の異型度や細胞集団の構造を調べて、がんかどうかを診断する検査です。組織を直接調べるため、高い確率で正確な診断ができます。また、生検はがんであるかどうかの診断だけでなく、小細胞がん、扁平上皮がん、腺がん、大細胞がんなどといった、病理学的な組織型の診断にも必要な検査です。

確定診断の合併症、気胸と出血

肺の生検や細胞診で最も起こりやすい合併症に【気胸(ききょう)】があります。これは、肺から空気が漏れてしまう合併症です。特に、【CTガイド下針生検(皮膚の上から針を刺す検査)】では、気胸のリスクが高くなります。胸腔にたまって肺が圧迫され、痛みや息苦しさを感じることがあります。漏れた空気が多いときは、胸腔ドレーンという管で空気を抜く処置が必要になります。また、気管支や肺胞などからの出血、血痰、喀血(かっけつ)などが起こることもあります。いずれの出血も量が少なく、自然に止まることがほとんどです。ただ、気管支からの出血が正常な肺へ流れ込むことがあり、その場合は正常な肺を上にして横になり、ただちに止血処置を行うことが必要になります。気管支鏡検査では、のどの局所麻酔に使うリドカイン(商品名キシロカイン)に対するアレルギーや中毒が起こることがあります。重症の場合は意識がなくなったり、けいれんが起ったりするので、緊急処置が必要になります。
非常にまれですが重篤な合併症として、肺に針を刺したとき空気が入り、それが冠動脈や脳血管に詰まる【空気塞栓が起こることもあります。肺がんの確定診断を行うための検査には、このようなリスクもありますが、命にかかわる合併症はまれです。外来で検査をする場合も、検査後しばらく安静を保つよう指示があり、医師や看護師が経過を観察してくれます。検査にしても治療にしても、メリットとデメリットを天秤にかけて選択することになりますが、過剰な心配から早期がん発見の可能性をなくさないようにしましょう。気になることは医師や看護師に遠慮なく聞き、納得して検査を受けてください。

気管支鏡検査

気管支検査鏡.jpg先端に電子カメラが内蔵された、太さ5~6mm程度のファイバースコープという細い管を気管支の中に入れて、内部を直接観察する検査です。病理学的検査をするために、(生検)紺子と呼ばれているハサミを使って、異常が疑われる組織を採取することもあります。痛みや刺激をやわらげるために、のどに局所麻酔液をスプレーし、モニターで見ながらファイバースコープを挿入するので、検査中も意識がありますし、呼吸もできます。外来で行うことができる検査です。
気管支.jpgファイバースコープは気管支が4回枝分かれするところまでしか入らないので、肺の入り口に発生する肺門型肺がんの診断に使われます。ファイバースコープが届かない細い気管支や肺胞の細胞を採取するときは、ファイバースコープを挿入したあと専用の器具を入れて生理食塩水を注入し、液体を吸引したり、気管支鏡の先からブラシを伸ばして細胞をこすりとったりする検査も行われます。前者の検査を気管支肺胞洗浄法(BAL)、後者の検査をブラッシングと呼んでいます。また、紺子を伸ばして細い気管支や肺胞の組織を採取する経気管支肺生検(TBLB)も行われています。

蛍光気管支鏡検査

気管支の内部をよりはっきりと観察するために、ファイバースコープの先端に、ある特定の波長の光を発する器具をつけて行う検査です。この光が正常な粘膜に当たると粘膜が自家発光しますが、がん細胞は発光しないので、暗く見えます。早期の肺門型がんや前がん病変を発見するのに有効な検査です。

穿刺吸引細胞診・透視下針生検

穿刺吸引細胞診とは、皮膚の上から細い針を刺して、異常が疑われる部分の細胞を採取して、がん細胞の有無を調べる検査です。透視下針生検とは、局部麻酔をしたあと、X線透視下やCTガイド下で、針を刺す方向や深さを確認し、肋骨の間から針をいれ、異常が疑われる部位に針を刺す検査です。
生検(組織診)の場合は、細胞だけでなく、組織を採取するので、採取量が多くなりますが、より正確な診断が可能になります。通常は、CTガイド下で組織の採取を行います。透視下針生検は、ファイバースコープが届かない部位の細胞を採取する時に行われます。

胸腔鏡検査

気管支鏡検査や針生検で診断がつかないときは、胸壁の3カ所に小さな穴をあけ、そこから胸腔鏡と呼ばれる胸部専用の内視鏡を胸腔(肺の外側)に挿入し、肺を見ながら肺、胸膜、リンパ節などの組織を採取することがあります。胸腔鏡検査では基本的には全身麻酔が必要で、患者さんへの負担も大きいので、通常は気管支鏡検査や針生検が優先されます。しかし、これらでは組織が採取しにくい場合や、採取した組織からがん細胞が発見されないが画像検査の陰影の状態などからがんの疑いが捨てきれない場合などもあります。そのようなとき、患者さんに胸腔鏡検査のメリットとデメリットをよく説明し、希望する人に行います。治療のための手術ができる状態で胸腔鏡検査に臨み、検査中に迅速病理診断を行って、がんであることがわかったら、そのまま手術に踏み切ることも少なくありません。

胸腔穿刺・胸膜生検

肺がんの症状として、胸腔に水(胸水)がたまることがあります。局所麻酔をして胸腔にコープ針という針を刺し、胸水を抜きとって、がん細胞の有無を調べるのが胸腔穿刺です。胸水がたまると、肺が圧迫されて息苦しくなったり、肩が張るような感じや背中が痛くなったりします。胸水を抜くと、そのような症状も改善します。胸膜生検とは、局所麻酔後に胸膜に針を刺して組織を採取し、がん細胞の有無を調べる検査です。

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